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2010年9月13日 (月)

「ヒトラーとケインズ」を読んで考えたこと

西村さんに貸してもらって、「ヒトラーとケインズ」(武田知弘著、祥伝社新書)を読みました。

コンパクトで読みやすい小著ですが、大変重要な内容を含んでいます。

私は、この本によって、自分の経済思想が確立したように思います。

是非、ご一読ください。

その内容は、ナチス前期の経済政策は、ケインズの思想を活かし、非常に成功し、経済を再建させたことが、実証的に書かれていました。

その政策の基本には、格差社会を作らないという根本思想があったということです。

ヒトラーはマネーゲームを敵視し、規制しました。

そして、雇用政策に力を入れて、大企業・高額所得者に増税をして、その金で雇用を生み出し、労働者に分配したということです。

ここが大切なポイントです。

私は目を開かされました。

景気は、金融緩和や為替介入などの金融政策では解決しない。

株価が上がろうが、円高であろうが、庶民には関係ないことです。

必要なのは、仕事です。

雇用政策こそが最も大切なのです。

生活保護受給者が増加する一方とか失業手当が1兆円を突破したとか報じられています。

もちろん、必要な手当ては守られねばなりませんが、できるなら何か社会に役立つことをして、働いて報酬をもらいたいというのが、人情でしょう。

こういう当たり前のことが、人間を排除し、パソコン内の数値の増加を経済発展と勘違いしている市場原理主義の社会では、わからなくなっているのです。

経済に、社会に、人間性を取り戻さなくてはなりません。

人間をかえせ、です。

不景気時には政府などが雇用者となって、有効需要の創出をしなくてはなりません。

それには、大企業・高額所得者に増税をして、その金で雇用を維持し、所得を再分配するのです。

日本の法人税は高すぎるから、下げなくてはならないと言うのなら、どういう考えで、どのあたりまでにするのかを明確にするべきです。

大企業も高額所得者も金勘定だけなら、海外に出て行くでしょう。

そうしないように、色々な関係で引き止めていくのが、人間力であり、政治の力であり、或いは、愛国心の醸造というものでは、ないでしょうか。

誰もが金だけでは幸せになれないことを学んだのですから、これからは関係の中でどう活かすかを考え、実践するべきなのです。

自分のことしか考えない金持ち、いや人間では困るのです。

誰が所有していようと、通貨は、仮初のものでありかつ公共のものであることを認識すべきです。

独占・私用するのでなく、常に公共に返すことを考えるべきです。

これは、金持ちの責務です。

企業には、雇用を維持するという社会的責任があるので、法人税を下げるというのなら、それもよいでしょう。

しかし、リストラをして株価を高く維持するようなことはさせないようにしなくてはなりません。

人にお金が回るようにしましょう。

個人がお金を溜め込まないように、高額所得者には、大いに課税しましょう。

明日(14日)、民主党代表、いや日本の総理が決まります。

日本を格差社会にしないという明確なメッセージを発してもらいたいものです。

かつて、「格差は悪いことではない」と言った総理がいました。

明らかに間違っていますが、明確なメッセージを発したことは立派です。

これに引きずられてはなりません。

人間を大切にする社会でなければ、誰も生きられません。

ある場所に、お金が死蔵され、人間は死に絶えていくという未来でいいのでしょうか。

次の総理には、税制を改正するという明確なメッセージを発してほしいです。

それ以外に、この閉塞社会を打開する道はないのではないでしょうか。

社会が必要としている仕事はいくらでもあります。

農林水産業、福祉分野、地域産業の開発など必要な事業にお金が回り、人が集まれるようでなくてはなりません。

原子力関係の施設の補償金が入ればいいということにはならないでしょう。

工夫して、協力して、助け合って生きていく社会にしたいものです。

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コメント

菅首相が「雇用が第1」というのであれば、まず実例をしめしませんと。

 高知県の有効求人倍率は、0・4台です。それもパートも含めてです。
 
 30代の勤労者で年収が200万円以下の人が勤労者の半分近くいるのが現実です。

 ヒトラーの政策をまじめに研究するのも世と思いました。

投稿: けんちゃん | 2010年9月17日 (金) 09時16分

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 最近は近くの図書館で借りて読む本ばかりですが、久しぶりに高知市京町角にある片桐 [続きを読む]

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