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2010年10月14日 (木)

筆坂秀世著「日本共産党」を読んで

80年代初めに、京都立命館大学に学んだ私は、民青(民主青年同盟)を通して、共産党の活動と身近に接しました。

ある面、共感し支持をしましたが、いつも齟齬感、違和感を感じていました。

この本を読んで、長く感じていた違和感の原因がわかりました。

今年の読んで良かった一冊です。

藤井一行氏(富山大学元教授)の分析によると、日本共産党の土台となる規約は、スターリン時代のソ連共産党の規約と毛沢東時代の中国共産党の規約にならって制定されたものだということでした。

どちらも、覇権主義・軍国主義的な時代の共産党規約と言えるでしょう。

戦時共産主義的と言っても良いかもしれません。

敵と戦うために、党組織を規律で締め上げ、全党員の力を勝利に向かって結集させていくやり方、これを日本共産党は手本にしているのです。

今までの日本共産党のやり方を顧みるとなるほどと納得がいきます。

日本共産党は、軍事組織、軍隊であったと捉えたらよいのかもしれません。

軍隊であるから、個々人の自由な発想や思想を抑圧し、党の活動に集約させるのです。

党勢拡大は、支配地を広げることであったのです。(関東軍と一緒だったのか)

「民主的議論を尽くしている」とよく言いますが、実際はタテ構造であり、一部の幹部が権力を牛耳っているようです。

これは、幹部が党員から搾取していることになるのではないでしょうか。

戦う相手に敵わないと内部で闘争を始める、それはゲリラ、内部抗争に明け暮れ、大衆からの支持を失った学生運動と似ているようにも思います。

軍隊は自分を守るため、硬く装甲し、相手を受け入れません。

敵を作り出し、戦い、滅ぼそうという方向を持ちます。

私は、共産党の考えに近いものを持っていましたが、民青から敵視されたことがあります。

ほんの少しの考えの違いが許されず、敵だとされてしまうのです。

似たような経験を、共産党に近づいた人は、多かれ少なかれ持っているのではないかと思います。

誰だって、十分な人間関係のない人々から、批判され、攻撃されるのは面白くないものです。

これでは、民主連合政府などできっこないのです。

日本共産党に必要なのは、武装解除でしょう。

そうしないとカルト教団と一緒になってしまいます。

いやもうなっていると言ってもよいでしょう。

謙虚に相手の話を聞き、受け入れ、人のつながりを大切にして、力を大きくしていくことが必要ではないでしょうか。

それは、「赤旗」を拡大することで達成されるのではありません。

共産党員の真面目さが裏目に出ないことを祈ります。

何より、人間が生きられる社会を築くために力を使ってほしいものです。

しかし、一般党員は疲弊し、幹部は考えを改めないようでは、後は消滅が待っているのでしょうか。

人間理解を進めてほしいものです。

理屈どおりに人間は動かないし、動けない、矛盾も一杯抱えています。

人の気持ちを大切にしなければ、大切にされないし、そもそも付き合ってもらえません。

敵は市場原理主義ではないでしょうか。

金より命を大切にする社会を築くために尽力してほしいものです。

自分たちが正しいなら、啓蒙活動など大衆運動を展開すればいいでしょう。

ただ自分達を絶対化し、敵を作るのでは、共に生み出すことも、共に生きることもできません。

自己欺瞞や偽善をやめて、大衆からの支持を取り戻せる時は来るのでしょうか。

異常なやり方を続けていく限り、無理でしょう。

日本共産党はその役割を終えたのかもしれません。

しかし、旧体制を批判し、革新を目指す勢力は必要です。

もっと大きな政界再編成が必要です。

個々人にとっては生き方を見直し、再編成することが大事だと思います。

混乱と激動、価値観が混在・対立する中で、どう納得のできる人生を築けるのか、本当に一人ひとりに問われています。

経済についてはまた考えたいと思います

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コメント

なるほ戦時共産主義」「軍隊の論理」というのは的を得ていますね。

 現在の中国共産党なども「戦時共産主義」「軍国主義」「帝国主義」そのものですから。

 これでは左翼系の社会運動は国民の支持を得ませんね。

投稿: けんちゃん | 2010年10月15日 (金) 13時27分

「日本共産党」の記事読みました。ボク自身、一時、その内部に居たので、島本の言っていることが、よく解ります。訳のわからない「違和感」を感じながらも当時は回りがそうだったので、やっていましたねー。
アノ頃の先輩は今どうしているのでしょうか?一部の人は第一線でやっているでしょうが、大部分の人は、、、。
{自分も、そうですが。}
ボクも読んでみます。

投稿: 髙木知文 | 2010年10月29日 (金) 11時12分

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